かさね母娘のきもの着まわし術
2018-12-12かさね母と娘の「きもの着まわし術」〜12月 刺繍付け下げ訪問着×刺繍袋帯〜
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
…
今回は刺繍×刺繍のコーディネート。
巻蠟染め(まきろうぞめ)の付け下げ訪問着と袋帯を合わせた、50代母と30代娘のそれぞれのコーディネート例です。
年末〜年始にかけて、華やかな場に行く時もあると思いますので
色合わせなどご参考になれば嬉しいです。
◆12月の着回し着物◆
着用した着物: 巻蝋染めの付け下げ訪問着
帯:刺繍の袋帯
◆50代母の着こなし◆
身長:157cm
年齢:50代
<着こなしのポイント>
全体的に鈍めの色味なので、対称的なぱっきりした帯揚げの青できりっとしめます。
<小物:全体的に色味を合わせて、一点は華やかな青を>
帯揚げ、三分紐、帯留め(私物)
帯は刺繍の色もたくさん入っているので、差をつけておもいっきりパールの帯留めです。三分紐もシルバーで華やかさを。
きもの仲間が集まる年末年始パーティに行く、コーディネートです。
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◆30代娘の着こなし◆
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<着こなしのポイント>
30代には少し渋めの着物と帯、そんな時はやはり小物が大活躍。小物で彩度を上げ、全体の印象を明るくします。
<小物:小物も刺繍!こっくり暖色でまとめる>
帯揚げ、三分紐、半衿(私物)、娘制作パール付きやきもの帯留め(店頭で販売中)
小物もがっつり刺繍で合わせて。
後ろ姿は前の印象と変えて、おとなしめに。
友人の結婚式には半襟を白の塩瀬か刺繍に取り替えて、こちらを着ていきたいです。
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<あとがき:今回の着物のお話>
今回使用した着物は、紗綾形の地紋と前見頃に相良刺繍が入っていて、元々は生成り色の状態で頂いたものでした。
それを一旦ほどき、巻蝋染めの一人者である木村勝美先生に染めて頂きました。
6色使っており、相良刺繍の部分は上部をなぞるように染めたとのことでした。
<刺繍部分を染める前>
<刺繍部分を染めた後>
八掛にはオリジナルデザインの牡丹を入れてもらいましたが、
先生のサービス(サプライズ)で下前にも気づくか気づかないかくらいの雰囲気で
牡丹を入れてくださり驚きでした。
巻蝋染めは蝋が固まるといけないので、真夏でも冷房なしで作業をするとのこと。
ご高齢の先生ですし、大切に着ていきたいねと母と話しました。
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同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いですので、お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。さっそく、お家にある着物を羽織ってみましょう。
それではまた次回をお楽しみに。
2018-11-19かさね母と娘の「きもの着まわし術」〜11月 赤の色無地〜
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
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今回は母の赤の色無地が主役です。
あと数年で還暦の母。普段は寒色の淡い色の着物が多いのですが、どうやら赤が着たくなったようで。
広い面積を占める着物の赤と、帯•小物の掛け合わせ。
そんな赤の色無地を主役に、50代母と30代娘のそれぞれのコーディネート例です。
もうすぐ12月、クリスマスパーティーにも良いですよ◎
◆11月の着回し着物◆
着用した着物: 赤の色無地
帯:神坂雪佳の柄の洒落袋
◆50代母の着こなし◆
身長:157cm
年齢:50代
着こなしのポイント
赤い着物はやっぱり気分が明るくなります!思いっきり楽しんで着ましょう♪着物のインパクトが強いので、ガチャガチャにならないよう品を保ちながら小物で遊びます。
<小物:色味を抑えて品よく>
帯揚げ、リバーシブル四分紐、娘制作帯留め(私物)
神坂雪佳の織の袋帯はマットな雰囲気があり赤の着物に合わせても両方が引き立ちます。黒の四分紐でしっかりしめて、ポイントにやきものの赤の花の帯留めを。
そして首もとは刺繍の半衿で、少しだけ遊びと変化を。
<母のこだわり:牡丹の刺繍>
この色無地には背紋の所に、娘がデザインした牡丹の花のオリジナル刺繍を入れました。柔らかいポイントとなっています。
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◆30代娘の着こなし◆
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<着こなしのポイント>
全体的に母より色を使って30代らしさを意識しました。
<小物:使う色味の時代感を合わせてアンティーク風>
帯揚げ、三分紐、娘制作パール付きやきもの帯留め、半衿(私物)
帯揚げ、三分紐の色味や帯留めの時代感を合わせて全体的にアンティーク風にしました。帯留めは以前やきもので自作したものです。強い着物と帯の柄にも負けずに存在感を出してくれます。
後ろ姿は着物と帯のコントラストですっきりと。
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<赤(朱)色のお話>
中国の影響を受けていた古代日本は、冠位十二階や衣服令(えぶくりょう)で、身分により着用できる色は決まっていました。
ただ諸説あるようなので、色彩から赤を調べて見たところ、古代日本においての赤は、丹(赤土)を使っていて縄文時代の土器や埴輪からも朱色ばかりだったことがわかります。中国の五行思想から赤(火)は魔よけの意味や強い印象として、社寺の鳥居(朱塗り)等現在でも多く残っています。
因みに色彩の三原則の青(木)赤(火)黄(土)を組み合わせればどんな色も表現でき、白と黒を加えて多彩な色表現技術が完成してきたらしいとわかりました。現在は、草木染めや化学染料もあって、一口に赤といってもたくさんの色味があります。時には思いきって赤を着用してみるのも楽しいです。
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同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いですので、お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。さっそく、お家にある着物を羽織ってみましょう。
それではまた次回をお楽しみに。
2018-05-31かさね母と娘の「きもの着まわし術」〜6月COTTON CLUBに行く単衣コーディネート編〜
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
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今回のお題は「娘、COTTON CLUBに着物で行きたい!」です。
実はここ数年私(娘•30代)は音楽への興味が非常にありまして、大人の音楽の楽しみ方をしたいのです。母は何度か行っているので母の知恵を拝借、失礼なく、畏まりすぎないコーディネートを。そして、「付け下げ訪問着」という訪問着と小紋の間のようなの着物をどういうふうに着こなすか?
母監修の30代(娘)、50代(母)それぞれの6月単衣コーディネートです。
◆6月の着回し着物◆
着用した着物: 頂き物牡丹柄付け下げ訪問着
帯:母の私物の絽綴れの名古屋帯
◆30代娘の着こなし◆
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<単衣の付け下げ訪問着を着るシチュエーション>
まず付け下げ訪問着とは上限どこまで、下限どこまでのシチュエーションで着たらよいかは判断が難しいポジション。
今回は着ていく場所はCOTTON CLUB、夜の公演、演目はジャズ。
COTTON CLUBはドレスコードはないものの、良い大人な雰囲気のライブレストラン。
明るい昼間のクラシックともまた違い、綺麗めでもかしこまりすぎず、でも華やかさが欲しいところということ、そして6月ということで、母が単衣の牡丹柄付け下げ訪問着をチョイス。付け下げ訪問着には袋帯をすることが多いですが、袋帯よりもちょっと崩した感じにしたいと母に伝えたところこちらの絽綴れの名古屋帯に決定。
訪問着の醍醐味、後ろ姿の袖と裾の柄もしっかり見せるように帯は白ですっきりと。
<小物で崩したい>
私のキャラ的にも、しっとりしずぎるのはちょっと違うな、ということで、帯びまわりはいつものように遊びを。
帯揚げと帯締めは青、グランドピアノの帯留めで夜の音楽を楽しむウキウキ感を演出。衿は白でもビーズの衿なので、きらきらと光に輝くものをチョイスしました。
こんなコーディネートで、かしこまりすぎないおめかしで音楽を楽しめそうです。
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◆50代母の着こなし◆
身長:157cm
年齢:50代
<着こなしのポイント>
50代の着こなしはとにかく上品に。
牡丹の染のしっとりとした風合いを活かすため、全体的に色味を抑えています。
<小物は同系色でまとめて品よく>
母(50代)の帯揚げと三分紐などの小物は同系色でまとめて品よく柔らかい印象に。
そこへ立体の帯留めで影を強く落として、着こなしに一層の深みを。
30代とはまた違い、色使いで優しいほわっとした印象にしています。
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付け下げ訪問着を着ていく場所、合わせる帯、小物での崩し方。
おうちにあるきものを活かすきっかけになればうれしいです。
同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いですので、お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。さっそく、お家にある着物を羽織ってみましょう。
それではまた次回をお楽しみに。
2018-04-19かさね母と娘の「きもの着まわし術」4月袷きものを爽やかに着る編
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
今回は普段着でちょっとおめかしのコーディネートです。
4月でも暑い日がありますが、単衣にはちょっと早いこの時期、色味で爽やかに、また50代、30代の場合に置き換えた時にどういった見せ方をしたらよいかの提案です。
◆4月の着回し着物◆
◆母の着こなし◆
「50代の春の装い〜色味で涼やかにしつつ美術館へGO〜」
身長:157cm
年齢:50代
着用した着物: 小紋
帯:洒落袋
<使用した小物>
帯揚げ、四分紐の帯締め、やきもの帯留め(共に私物)
<着こなしのポイント>
今回の着物は名物裂•蜀江文の小紋。遠目には無地っぽく見えますが近くでみるとしっかり文様が入っています。文様としては格が高いものなので、普段着でも袋帯を合わせ全体的に綺麗めにしました。きものは涼しげな袷ですが、帯の色が濃く袋帯で個性的なので、暑苦しくならないように爽やかな空気を身にまとうような印象にしています。美術館のように、普段着ですこしだけおめかししたい時にぴったりです。
帯まわり。今回は色味が濃くはっきりしている帯を使い、石の帯留めを合わせ着物と対象的に帯びまわりは派手な色使いになりました。
今はちょうど藤の花が満開ですので、全体的にな色味は紫を中心に寒色でまとめています。
帯揚げは紫で50代にふさわしい上品な着こなしを目指しました。
帯留めはやきものと石を組み合わせた娘作のもの、四分紐の青でしっかり締めます。
◆娘の着こなし◆
「30代、夜の会食は母の着物と帯を借りて綺麗めに」
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<使用した小物>
帯揚げ、三分紐(全て私物)、帯留め:11,880円(税込)※店頭にて販売中
<着こなしのポイント>
今回の着物と帯は私にしてみたら綺麗めだったので、なかなか普段の装いではないものの、急にお呼ばれした時やお仕事関係の目上の方と会食となった時に綺麗めで喜ばれそうなコーディネートにしました。
半衿と帯揚げは少しだけカジュアル感を出して青系の柄ものに。
後ろ姿は帯を主役にすっきりと。目上の方との会食なので印象よく衿も抜きすぎず。
爪も帯留めの青と合わせて先だけ青く。同じ青系等でも、はっきり鮮やかな青が一カ所入ることで全体の印象がぱっと明るくなります。また帯の織の質感と陶器のつやの質感の違いが目を引きます。ぜひお試しあれ。
4月の着回しはこんなかんじ。
爽やかな4月、暑い日も増えてきましたのでこの時期は袷を涼やかに着こなしましょう。
同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いですので、お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。さっそく、お家にある着物を羽織ってみましょう。
それではまた次回をお楽しみに。
2018-02-13かさね母と娘の「きもの着まわし術」2月、紬コーデで楽しく行けるところとは
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
さて、よく聞くお悩み、「○○にはどういうコーディネートでいけばいいのだろうか?」という疑問。
今回は織×織編です。
50代、30代それぞれの場合、どういう所でどういった見せ方、着こなしをしたらよいかの提案です。
◆2月の着回し着物◆
着用した着物: 結城紬(葡萄唐草文)
帯:織の袋帯
◆母の着こなし◆
「50代、友達と銀座にてホテルランチのあと歌舞伎へ」
身長:157cm
年齢:50代
<使用した小物>
帯揚げ、三分紐×2(共に私物)、透かしやきもの帯留め(非売品)
<着こなしのポイント>
今回の着物は葡萄唐草文の結城紬。帯は名古屋帯より少し格上げして織の袋帯を合わせています。
八掛の赤と口紅の色味を合わせてみると落ちついた印象に。
母としてこのコーディネートで行く所の上限は、「仲間内でのホテルランチ」まで。
パーティーやドレスコードがあるような場所でなく、「仲間内のワイワイとした場」に適していると考えます。
帯周り。今回は帯に柄がありますので、柄の邪魔にならないように、且つポイントを作るということで白と紫の三分紐二本を帯留めでしめるという合わせ方にしました。二本使いは品よくポイントになるのでおすすめです。
また帯揚げは左右で色を変えて出して、「いりく」でさらっと流れるような存在感で。透かし彫りの帯留めなので紐を魅せる楽しみもあります。
後ろ姿はこう。着物と帯、同系色でまとめた50代の着こなしの楽しみ方です。
◆娘の着こなし◆
「30代、お友達と落語からのビストロへ」
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<使用した小物>
半衿、帯揚げ、三分紐(全て私物)、パンダ帯留め:3,240円(税込)※こちらにて販売中
<着こなしのポイント>
なかなか渋めの配色の着物と帯の色の中から、紫と緑を抽出して派手にして帯揚げと三分紐で取り入れるコーディネート。50代の母よりかは元気で若い印象に。差し色の効果を最大限利用します。
帯びまわり。帯が神坂雪佳の大きめな菊桐の絵柄なのでそこに子パンダちゃんが甘えているように。帯揚げは多めに出して明るい印象に。
顔まわり。髪はひとつにまとめて三つ編みをしてゴムで結び、くるくると巻いてピンでとめて最後に簪を。今回は着物と帯が地味目なので、目元に色を使いました。上瞼の目尻に青。下瞼の目尻にオレンジを。目尻だけに細くひくのがなじむポイントです。
2月の着回しはこんなかんじです。
場所やどなたと一緒なのか、また自分の立場によって着こなしは変わってきます。
結婚式に着るものは分かりやすいけど、普段着の範疇でどこまで崩していいのか、
どこまでフォーマルを出したらいいのかという疑問の参考になれば幸いです。
かさねの着物教室では、生徒さまからのそんなコーディネートの相談もとても多いので、シチュエーション、その方の立場を考慮した提案をさせて頂いています。
詳細はこちらから。
かさねのきもの教室
それではまた次回をお楽しみに。
2017-11-14かさね母と娘の「きもの着まわし術」秋冬〜差し色と長襦袢のチラ見せおしゃれ
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
今回は町歩きにも良い結城紬とぜんまい紬の帯の組み合わせです。
着物、帯ともにグレー系を選び、そこに差す色にフォーカスした着こなしにしました。それを50代、30代の場合に置き換えた時にどういった見せ方をしたらよいかの提案です。
◆11月の着回し着物◆
着用した着物: 結城紬
帯:ぜんまい紬糸の透かし織り 名古屋帯
◆母の着こなし◆
「50代の秋の装い〜チラ見せで秋感を〜」
身長:157cm
年齢:50代
<使用した小物>
帯揚げ、四分紐の帯締め(共に私物)、やきもの帯留め4,320円(税込)
<着こなしのポイント>
今回の着物は地紋に花兎が入った結城紬。無地ですが地紋が入っているので近づいた時に見える変化があります。
半衿は白ですが刺繍入りのものを選び、光の加減で見えるくらいの柄要素を。
品を保ちつつ遊べるアイテムです。
帯周り。今回は全体的にグレー、茶系でまとめました。
そのなかでも帯揚げは茶、四分紐はベージュと色味をあわせつつ絶妙な色の差を秋の紅葉の変化に見立て、50代にふさわしい着こなしを目指しました。
帯留めは穴から紐が見えるタイプの筒型のやきものです。(店頭で販売中)
さて、見えるか見えないかくらいのおしゃれの極み、長襦袢では着物と帯とは対照的に派手な色をつかった紅葉の色で秋の美しさを表現しています。
無地寄りの着物、帯だからこそちらっと見える際のおしゃれ感を楽しめるのです。
◆娘の着こなし◆
「30代、差し色は断然派手目に」
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<使用した小物>
帯揚げ、三分紐(全て私物)、帯留め:3,240円(税込)※店頭にて販売中
<着こなしのポイント>
今回の着物と帯の組み合わせは特にグレーが全体を占め、30代が着るには少し早いかな?と思われそうなもの。
なので、差し色は特に派手目なものを選び若さと色で楽しんでいる雰囲気を出しました。
半衿は赤の地に刺繍が入ったもので顔周りに強めの色を。
こうすることで、オークル系の肌の方でも顔色が良く見えます。
また後ろ姿の際も抜いた衿から赤が見えるおしゃれを楽しめます。
長襦袢は紫のドット柄です。
帯まわりの小物も紅葉を意識した、明るい赤、緑、黄色で合わせて。帯留めはやきものの銀杏です。
11月の着回しはこんなかんじ。
地味目な着物の楽しみ方は実は差し色だったりチラ見えする長襦袢であったり、こんなところにもあるのです。
同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いですので、
お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。
さっそく、お家にある着物を羽織ってみましょう。
それではまた次回をお楽しみに。
2017-06-27かさね母と娘の「きもの着まわし術」盛夏(文月)◆生紬訪問着/夏結城袋帯
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
今回は着る機会がぐんと少なくなる、しかし着ていると素敵さが増す夏着物のすすめ、です。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
今回は盛夏でも涼しげに見える、そして華やかさを持つ母のしょうざんの生紬を選び、夏らしく涼しげな紬の訪問着を中心にコーディネートいたしました。
◆7月の着回し着物◆
着用した着物: 夏生紬訪問着
帯:洒落袋
◆母の着こなし◆
「着物仲間と踊りの会の公演、そしてホテルでディナー コーディネート」
身長:157cm
年齢:50代
<使用した小物>
帯揚げ、四分紐の帯締め(共に私物)、帯留め「貝パール」※非売
<着こなしのポイント>
今回の着物は夏生紬の訪問着。訪問着でも、柄が少ないもので鮮やかな黄色が夏らしく爽やかです。母は、半衿はいつものように白の、絽塩瀬です。
帯周り。今回は全体的に白っぽい色味なので、ベージュと黒の四分紐を使用して全体的に柔らかさを出しつつ、細くピッと一本黒でしめました。帯揚げ、帯の柄の波と、パールの貝殻帯留めで海を連想させます。品は崩さずに遊びをプラスして。
◆娘の着こなし◆
「夏の軽井沢へ、親しい友人や親族だけの結婚式 コーディネート」
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<使用した小物>
帯揚げ、三分紐(全て私物)、帯留め:京林コラボ商品 13,500円(税込)※店頭にて販売中
<着こなしのポイント>
今回の着物と帯の組み合わせは、母に比べ私の歳ではより明るい色味をプラスしたほうが良いと考え、帯揚げに母よりも強めのブルーを持って来ました。半衿は結婚式のため、すこしだけ遊びを持たせ白に露芝の刺繍のものを。
帯まわり。結婚式なので、帯留めはご夫婦をイメージしてお花ふたつのもの。三分紐は白で清潔感を持たせました。帯自体、母と出ている柄の部分が違うのでそれだけでも少し印象を変えることができます。お花に吹く風、といったところでしょうか。帯揚げは半分が絽になっているもので、通年使えて便利です。
7月の着回しはこんなかんじ。
今回はふたりともおなじような寒色でまとめましたが、同じ色味でも帯揚げの色の強さ、また紐の存在感、帯の柄だしと、細かいところで年代に合った着方が出来ます。
同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いですので、
お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。
さっそく、お家にある着物を羽織ってみましょう。
それではまた次回をお楽しみに。
2017-03-25かさね母と娘の「きもの着回し術」3月◆辻が花訪問着/刺繍袋帯◆
隅田川沿いの桜もちら、ほらと咲いてきました。
3月もあと少しでおわり、いよいよ暖かい春が近づいてきましたね。
さて今月の「母と娘のきもの着回し術」です。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。
今回のテーマは、「春のおよばれコーディネート」。
春らしいピンクの辻が花の訪問着で、今の時期らしい結婚式やパーティーへのコーディネートです。
◆3月の着回し着物◆
着用した着物:辻が花訪問着
帯:刺繍袋帯
◆母の着こなし◆
身長:157cm
年齢:50代
<使用した小物>
桜、源氏香の帯揚げ、帯締め(共に私物)
<着こなしのポイント>
今回は差し色がかわいい辻が花の訪問着、30年くらい前のものです。辻が花は室町末期から安土桃山時代にかけて現れた、絞りと墨書きによる描き絵を基調とした染めの技法で、「辻が花」という花は実在のものではなく架空のお花です。その辻が花の訪問着に、すこし鈍めの色の相楽刺繍、平刺繍、金マツリ刺繍が施された袋帯を合わせました。
衿は塩瀬の白衿で上品に。着物パーティーでも行きましょうか。
帯周りは今回は帯締めと帯揚げで、上品さを全面に出しました。
ちなみにコートは母のお気に入り被布のコート。衿と胸元がポイントです。
◆娘の着こなし◆
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<使用した小物>
刺繍の帯揚げ、シルバーの三分紐、花のコーム(全て私物)、帯留め:<辻が花>※京林さんコラボ商品 14,580円(税込) 店頭にて販売中
<着こなしのポイント>
今回は着物と帯が渋めなので、帯揚げの紫を効かせました。半衿は白にベージュの刺繍のもので少しだけ変化を持たせました。
結婚式への参列にもぴったりです。
今回の髪型は、式典用に自分でできるまとめ髪。まずハーフアップをくるりんぱ。その両端の髪をすこしずつとり、さらにくるりんぱ。残りの髪を一つにまとめ、三つ編みをしてピンでまとめました。最後に花のコームをつけ完成です。
3月の着回しはこんなかんじ。
同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いです。
お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。
また次回をお楽しみに。
2017-01-21かさね母と娘の「きもの着回し術」1月
早くも1月が終盤に近づいておりますね!
今月の「母と娘のきもの着回し術」です。
こちらの投稿では、ずいぶん前に買ったけれど最近着ていなかったきものを母娘二通りの着方で復活させています。
今回のテーマは、「普段着で浅草をぶらぶら」。
気軽にカフェに行ったり、写真撮ったり、普段着のコーディネート案です。
◆1月の着回し着物◆
着用した着物:紅花染め紬
帯:ちりめん地に猫の染めの名古屋帯
◆母の着こなし◆
身長:157cm
年齢:50代
<使用した小物>
帯揚げ、帯締め(共に私物)、帯留め:<梅帯留め> 5,400円(税込)こちらで販売中
<着こなしのポイント>
今回は寒い日が続いているので、元気が出る様に全体的にビタミンカラーでまとめました。
紅花染めの着物は15年くらい前に誂えたもので、色々な糸が織り込まれています。
帯は緑色が業界で品薄になっていた時に見つけた、ピーコックに近い色味のものです。
帯周りは、猫と梅でほんの少しの甘さと軽やかを。帯揚げの色と三分紐の色を合わせて柔らかい雰囲気にしました。
◆娘の着こなし◆
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<使用した小物>
帯揚げ(私物)、半衿(私物)、三分紐(私物)、帯留め:やきもの帯留め 5,400円(税込)<雪輪/南天>こちらで販売中
<着こなしのポイント>
今回はあたたかな雰囲気を出すために半衿も抹茶のような緑の刺繍のものにしました。帯揚げも半衿と似た色の源氏香の柄のものを。
三分紐はグレーのような緑にして帯留めの赤を目立たせました。
猫が帯留めの丸い形で遊んでいるような雰囲気です。
髪型は、街歩きということでゆるくひとつに三つ編みにしたあと、ピンで適当なところで左に寄せてとめています。
1月の着回しはこんなかんじ。
同じ着物でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。
また次回をお楽しみに。
2016-12-04かさね母と娘の「きもの着回し術」12月
今月も、たくさんの想いの詰まった着物を活かすための『かさね母と娘のきもの着回し術』です。
今月は年末なので、お呼ばれの機会も増えますよね。
そんなテーマの着こなしです。
同じ着物と帯でも小物によってこんなに印象が変わるものです。 是非ご参考に。
◆12月の着回し着物◆
着用した着物:江戸小紋
帯:名古屋帯 ふくれ織
◆母の着こなし◆
身長:157cm
年齢:50代
<使用した小物>
帯揚げ、帯締め(共に私物)
<着こなしのポイント>
今回は12月のお茶会にお呼ばれした時のコーディネート。爽やかな淡青に、渋めの帯揚げと帯締めで冬の枯野のイメージをプラス。
後ろ姿はこんな感じに。
この帯はお太鼓の部分が市松と菱形のリバーシブルになっているのでコーディネートによって変えるのも◎。
◆娘の着こなし◆
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<使用した小物>
帯揚げ(私物)、半衿(私物)、三分紐二本(私物)、帯留め:やきもの帯留め 18,360円(税込)<金彩帯留め華/赤>こちらで販売中、パール(私物)
<着こなしのポイント>
今回は年末のすこし大人の方が集まるパーティーに行く際のコーディネート。
丈や裄は私にとっては短いので、丈はいつも通り腰紐を下目におへそのあたり(腰骨のすこし上あたり)で締めることによって調節。
今回着物が一見無地にも見える爽やかな水色なので、半衿は赤系の派手な刺繍のものを。帯揚げはオレンジを入れ、三分紐はクリスマスカラーを意識して緑と金の二本使用して帯留めで締めています。
帯留めは宝相華文からイメージした金彩の帯留めです。
髪型は、前回は前髪をおろしましたが今回はちょっと大人めに流しました。
後ろ髪は全体をくるりんぱした後、まとめた髪を三つ編みにしてしまいこみパールの髪飾りをつけました。
12月の着回しはこんなかんじ。
同じ着物でも、年代や小物で印象ががらりと変わります。
お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。
また次回をお楽しみに。