きものコラム
かさね母と娘の「きもの着まわし術」〜12月 刺繍付け下げ訪問着×刺繍袋帯〜
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
…
今回は刺繍×刺繍のコーディネート。
巻蠟染め(まきろうぞめ)の付け下げ訪問着と袋帯を合わせた、50代母と30代娘のそれぞれのコーディネート例です。
年末〜年始にかけて、華やかな場に行く時もあると思いますので
色合わせなどご参考になれば嬉しいです。
◆12月の着回し着物◆
着用した着物: 巻蝋染めの付け下げ訪問着
帯:刺繍の袋帯
◆50代母の着こなし◆
身長:157cm
年齢:50代
<着こなしのポイント>
全体的に鈍めの色味なので、対称的なぱっきりした帯揚げの青できりっとしめます。
<小物:全体的に色味を合わせて、一点は華やかな青を>
帯揚げ、三分紐、帯留め(私物)
帯は刺繍の色もたくさん入っているので、差をつけておもいっきりパールの帯留めです。三分紐もシルバーで華やかさを。
きもの仲間が集まる年末年始パーティに行く、コーディネートです。
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◆30代娘の着こなし◆
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<着こなしのポイント>
30代には少し渋めの着物と帯、そんな時はやはり小物が大活躍。小物で彩度を上げ、全体の印象を明るくします。
<小物:小物も刺繍!こっくり暖色でまとめる>
帯揚げ、三分紐、半衿(私物)、娘制作パール付きやきもの帯留め(店頭で販売中)
小物もがっつり刺繍で合わせて。
後ろ姿は前の印象と変えて、おとなしめに。
友人の結婚式には半襟を白の塩瀬か刺繍に取り替えて、こちらを着ていきたいです。
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<あとがき:今回の着物のお話>
今回使用した着物は、紗綾形の地紋と前見頃に相良刺繍が入っていて、元々は生成り色の状態で頂いたものでした。
それを一旦ほどき、巻蝋染めの一人者である木村勝美先生に染めて頂きました。
6色使っており、相良刺繍の部分は上部をなぞるように染めたとのことでした。
<刺繍部分を染める前>
<刺繍部分を染めた後>
八掛にはオリジナルデザインの牡丹を入れてもらいましたが、
先生のサービス(サプライズ)で下前にも気づくか気づかないかくらいの雰囲気で
牡丹を入れてくださり驚きでした。
巻蝋染めは蝋が固まるといけないので、真夏でも冷房なしで作業をするとのこと。
ご高齢の先生ですし、大切に着ていきたいねと母と話しました。
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同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いですので、お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。さっそく、お家にある着物を羽織ってみましょう。
それではまた次回をお楽しみに。
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