きものコラム
かさね母と娘の「きもの着まわし術」〜6月COTTON CLUBに行く単衣コーディネート編〜
今月の母と娘の「きもの着まわし術」。
こちらの投稿では、母娘で同じ着物、同じ帯を使い年代別の二通りの着こなし方を提案しています。お持ちの着物をうまくシェアしていきましょう。
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今回のお題は「娘、COTTON CLUBに着物で行きたい!」です。
実はここ数年私(娘•30代)は音楽への興味が非常にありまして、大人の音楽の楽しみ方をしたいのです。母は何度か行っているので母の知恵を拝借、失礼なく、畏まりすぎないコーディネートを。そして、「付け下げ訪問着」という訪問着と小紋の間のようなの着物をどういうふうに着こなすか?
母監修の30代(娘)、50代(母)それぞれの6月単衣コーディネートです。
◆6月の着回し着物◆
着用した着物: 頂き物牡丹柄付け下げ訪問着
帯:母の私物の絽綴れの名古屋帯
◆30代娘の着こなし◆
身長:162cm
年齢:30代
母との身長差:5cm
<単衣の付け下げ訪問着を着るシチュエーション>
まず付け下げ訪問着とは上限どこまで、下限どこまでのシチュエーションで着たらよいかは判断が難しいポジション。
今回は着ていく場所はCOTTON CLUB、夜の公演、演目はジャズ。
COTTON CLUBはドレスコードはないものの、良い大人な雰囲気のライブレストラン。
明るい昼間のクラシックともまた違い、綺麗めでもかしこまりすぎず、でも華やかさが欲しいところということ、そして6月ということで、母が単衣の牡丹柄付け下げ訪問着をチョイス。付け下げ訪問着には袋帯をすることが多いですが、袋帯よりもちょっと崩した感じにしたいと母に伝えたところこちらの絽綴れの名古屋帯に決定。
訪問着の醍醐味、後ろ姿の袖と裾の柄もしっかり見せるように帯は白ですっきりと。
<小物で崩したい>
私のキャラ的にも、しっとりしずぎるのはちょっと違うな、ということで、帯びまわりはいつものように遊びを。
帯揚げと帯締めは青、グランドピアノの帯留めで夜の音楽を楽しむウキウキ感を演出。衿は白でもビーズの衿なので、きらきらと光に輝くものをチョイスしました。
こんなコーディネートで、かしこまりすぎないおめかしで音楽を楽しめそうです。
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◆50代母の着こなし◆
身長:157cm
年齢:50代
<着こなしのポイント>
50代の着こなしはとにかく上品に。
牡丹の染のしっとりとした風合いを活かすため、全体的に色味を抑えています。
<小物は同系色でまとめて品よく>
母(50代)の帯揚げと三分紐などの小物は同系色でまとめて品よく柔らかい印象に。
そこへ立体の帯留めで影を強く落として、着こなしに一層の深みを。
30代とはまた違い、色使いで優しいほわっとした印象にしています。
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付け下げ訪問着を着ていく場所、合わせる帯、小物での崩し方。
おうちにあるきものを活かすきっかけになればうれしいです。
同じ着物と帯でも、年代や小物使いで印象ががらりと変わります。
最近はお家にある着物を活かしたい、頂いた着物をどう自分なりに着こなしたらいいかわからない、という方も多いですので、お着物を楽しんで頂くきっかけになれば幸いです。さっそく、お家にある着物を羽織ってみましょう。
それではまた次回をお楽しみに。
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