きものコラム
女下駄のこと
8月もそろそろ終わりということで
夏の最後に、女下駄のお話です。
晩夏になっても浅草では本当にたくさんの浴衣姿を見かけます。
長襦袢を着て帯揚げや帯留めをして着物風に、華やかなヘアースタイルと帯結び、下駄でなくゴム草履を履き、一見「あれっ!」と思う事もしばしばですが、個性の表現は、年々華やかになり自由に変化をしています。
先月の隅田川花火大会では、男女共に浴衣の方が多く、韓国や中国の方もかさねで浴衣に変身してとても喜んでいました。
着物文化が、更に広がっていくきっかけになればという願いを込めて、今回は下駄についてのお話です。
下駄は、 古墳時代池守遺跡(埼玉県行田市)から歯下駄が出土していることからもわかるとおり、その歴史はとても古く、豪族の墓には石製模造品も副葬されていたようです。
明治時代までは、桐下駄は裕福な人の履きものでしたが、昭和30年頃まで最も一般的なはきものとして用いられてきました。
●連歯“れんし”下駄
日常的な下駄で駒下駄と呼ばれることが多い。
●ぽっくり下駄(関西はコッポリ)
お祝い時に履きます。
●端棒“はなぼう”下駄
庭下駄で東南アジアやアフリカにもあります。
●中刳り“なかぐり”下駄
江戸末期、女性の外出用。
●天反り“てんそり”下駄
昭和の初めに靴の影響を受けて作られた台が曲線的になるもの。
これは、シュースと呼ばれていました。
現在の代表的な底
(上から)駒下駄 のめり 右近
現在は、右近の方が多いようですが、駒下駄の中にも白木・黒捌き・焼き上げ・黒や赤の塗り・表付きや鎌倉彫りと種類は沢山あります。褄先からおろし小股で歩くようにしてみてくださいね。
階段などは、からだを少し斜めにして上前をちょっとつまみ上げるようにして下りると滑りにくく、所作も美しく見えますよ。
浴衣の機会も残り少なくなってきましたが、着る時にはちょっと意識をして女子力をアップさせてみましょう。
是非来年のご参考に♪
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