きものコラム
御高祖頭巾(おこそずきん)
立春(二十四節気の1つ)も過ぎましたが、急に雪が降ったりしてまだまだ寒さが厳しい日が続いています。うっかり雨コートを持たずお出掛けをしてしまって、急な突風と雪で髪の毛は乱れ裾を押さえるのに必死になったある日、ふと思い出したのが『幕末・明治美人帖』の中の1枚の写真。
(『幕末・明治美人帖』より)
そこで今回は、この被り物『御高祖頭巾』について少々調べてみました。
語源は、鎌倉時代の高層、日蓮上人像によると言うのが有力説のようです。
時期としては、江戸中期頃~大正にかけて流行した浜縮緬の四角い布で、元々は、男女共に被っていたものが、やがて女性の防寒用として広まったようです。年齢によって色も違ったようですが、イメージがつきやすいのが、時代劇に出てくる武家の奥方の外出時の被り物でしょうか。
被り方も目だけを出して頭全体を包むやり方、耳へかけ顔を出すかぶり方等があるようです。その様子は浮世絵の『雪中相合傘』からも伺えます。
(鈴木春信 『雪中相合傘』より)
江戸中期頃から流行りだしたこということは想像するに、元々徳川家康の正室や六代•八代将軍の正室が日蓮宗と関係が深かったのでその影響なのかな?とも思ってしまいます。
いずれにしても、古くから伝わっている事を過ぎ去った時代を感じながら再現してみるのもわくわくしますよね。気分だけでも浮世絵の世界にタイムスリップしてみたら、歩き方や傘のさし方等、いつもとは違う自分に出会えるかもしれませんよね✨
さて次回は、この雨や雪の日に欠かせないアイテム 番傘・蛇の目傘についてお付き合いくださいませ。
Posted on 2016-02-06 | Posted in きものコラム | Comments Closed
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